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夢のなかの小径

駅舎の見える道

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冬でもその光景は心に温かい。

駅があり、そこから一本の大通りが町のはずれまで続いている。

大通りといっても、静かな、車も人の影もないゴーストタウンのメーンストリートだ。

これは夢のなかの光景だが、この町はほんとうにぼくが育った町だ。

実際この町は、昼でも、たった一台のクルマも見かけない時間が長く続くことがある。

でもさみしくはない。

ぼくの記憶のなかに残っている昭和30年代の活気あるざわめきがまだあたりに漂っていて、そこに戻ろうとすればいつでも戻れるからだ。

ぼくはアヘン中毒者のようにひとり静かに微笑んで、目を閉じる。

ほんとうは眠っているのだから、目ははじめから閉じているはずだが。

ぼくは何かを味わうように目を閉じ、また目を開けて、駅のほうを振り返った。

なにか恐ろしいものが列車でやってくると先ほどまでは思っていたのに、ぼくはふと、懐かしい人々が乗っているのかもしれないと考えている。

それは死者たちだ。



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by ourfolks | 2018-11-10 10:44

夢のような話の世界に誘う語り
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