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夢のなかの小径

廃線の駅にて

ずいぶん昔、若い頃のことになるが、こんな夢を見た。

ぼくは、幼少期を過ごした小さな町の駅前にいた。

鉄道はとっくの昔に廃線になっており、夏の涼しい静かな夕暮れが、ひとけのない駅前を包み込もうとしていた。

そこに踏切がカンカンなる音と、レールをキシキシならしながら近づいてくる電車の音が聞こえてきた。

その電車には、ぼくと待ち合わせしている人が乗っているような気がして、ぼくは誰かとそんな約束をしていなかったかと思い出そうとした。

しかしどう記憶をたどっても、誰かと待ち合わせした覚えはない。

それに、ずっと昔に廃線になった駅に電車が走るのか、そしてどうしてぼく自身がそこにいるのか。

それにもうひとつ気がかりなことがあった。

なにか恐ろしげなことが、電車とともに、ここに近づいているのをぼくは感じていた。





by ourfolks | 2018-10-04 16:03

夢のような話の世界に誘う語り
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